徹底的なコスト削減による採算の改善
資格の学校TACが5月13日に決算を発表した。2013年3月期の経常利益は3.7億円の黒字に転換し、今期の経常利益は2.1倍の7.8億円に急拡大する見通しだ。
その要因は人件費や講師料の削減、賃借料の見直しなど、構造的なコスト削減に取り組んだことで、採算が急改善している。また、宅建主任者やビジネススクール講座、人材事業など、景気動向と連動しやすい講座や、スマートフォンやタブレットに対応したウェブ通信講座が好調で売り上げを伸ばしていることも大きい。一方で、会計や法律など教室講座は依然として売り上げが伸びておらず、また、資格講座全般としても受講申し込みは低調のままだ。
今期の業績予想は、前期から引き続き取り組まれているコスト削減がさらに進められることを見込んで、経常利益の大幅増益が期待されている。業績回復に伴い、今期の年間配当を1円として復配する方針も示されている。
期待される今後の事業展開
今後の施策として、新講座の開発(昨年スタートした建築士講座の拡大と教員試験対策コースの新規開講)による売上高の維持、継続的なコスト削減策の実施、新規事業の開拓(オンラインスクールや実務家向けビジネスの拡大)が掲げられている。
このうち、オンラインスクールについては、インターネットを通じて安価に良質な教育サービスを提供するための子会社としてすでに設立されており、2013年8月にはサービスを開始する予定となっている。今後の展開にますます目が離せない。

資格の学校TAC IR情報
http://www.ir.tac-school.co.jp
TAC株式会社 平成25年3月期決算短信
http://cdplus.jp/company/download/240480/17069.pdf