18歳人口減少に伴い、大学志願者数が減少。文低理高の傾向が続く
大手予備校河合塾は2014年度の大学入試直前動向を発表した。これは、大学志願者の4割強が受験するといわれている、昨年の秋に高3・卒生を対象に実施された、第3回全統マーク模試(受験者数約29万人)の結果と河合塾が収集した入試情報などをもとに作成されたものだ。
それによると、ここ数年続いている「文低理高」の傾向は変わらず、文系志願者は2008年以降15万人前後のほぼ横ばいであるのに対し、理系志願者は2008年以降右肩上がりに上昇を続け、2013年の受験者も前年から2000人増加の13.9万人となった。
2014年の大学志願者数は18歳人口の減少に伴い、2万人減少する見込みだ。センター試験の志願者数は前年比2%(1万3千人)減の56万670人で、現役・既卒別では現役生が前年比4%(1万7千人)の減少、既卒生が前年比4%(約4千200人)の増加となる見込みだ。
理系学部では医療系学部の人気が高く、特に私立大の医学科・歯学部・薬学部は志願者が1割以上も増加する見込みだ。なお、医療系は大学・学部の新設も盛んで、特に看護系学部は2014年の新設4大学、防衛医科大学も含めて18校が新設される。
入学定員も急増しており、4年生看護大の入学定員は1990年時点で558万人であったが、その後増加を続け2006年には1万人を超え、2014年は19,419万人(河合塾調べの予定数)と2万人に迫る勢いだ。
高まる「地元志向」
近年、大学入学後の生活費や地元での就職などを考慮し、地元の国立大学への進学を希望する「地元志向」の傾向が高まっているが、この傾向は2014年も続き、首都圏全国区の有名大学志願者の減少が目立っている。
東京大学の志願者は前年の94%で、特に文科類は88%と1割以上減少してる。早稲田大学の志願者も前年の93%と減少しており、センター方式が前年の90%と目立って減少している。なお、両大学とも出身地別にみると中部以西出身者の減少が目立っている状況だ。

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