あらためて考える被ばくと放射線防護
公益社団法人 日本技術士会は、平成25年11月25日(月)に技術士フォーラム2013を開催する。今年のテーマは「放射線による被ばくリスクと放射線防護をどう考えたらよいか?-福島の復興と、人々の尊厳を守るために、われわれは何をすべきか考える-」。
本フォーラムでは、被災地の復興支援に携わった技術士からの要望に添って、福島の現在の被ばく状況を理解するために必要な点について、とりわけ放射線の身体への影響、従来の放射線防護の考え方と基準値の意味、福島の汚染状況や住民への健康影響、というこの3点に絞って、情報提供をする。その上で、福島における復旧支援活動を紹介し、事故後2年半を経て、分かってきた事実と、説明が放置されてきた誤解との整理を試みる。さらに、福島の反省を踏まえた今後の放射線防護の考え方にまで、議論を深化させる。
これらの議論を通じて、福島復興の障害は何か、復旧・復興のあり方はどう考えるべきか、そして、福島の尊厳を守るために、われわれは何をすべきか、を共に考える。
また、放射線リスクの「相場観」について、参加者各々が自身の専門に照らしながら、自ら答えを出すことを目標としている。
3人の専門家による講演
当日は3つの講演が予定されている。
まず、福島県立医科大学の副学長を務める山下俊一氏より、「福島原発事故と医療人;非常事態から現存被ばく状況における対応と社会的責務」。
次に、国立保健医療科学院で研究官を務める山口一郎氏による「放射線により身体影響の整理と基準値の算定方法、従来の放射線防護の考え方」、最後に、ICRP主委員会委員の丹羽太貫氏から「福島第一原子力発電所事故後の福島の状況を踏まえた、今後の放射線防護の考え方」と題した講演がある。
なお、今回のフォーラムでは、議論の発散を避けるため、原子力の是非を問う政策論には触れない予定。また、「相場観」も主観に基づくものであるが、科学的根拠に基づく「安全」と主観的要素の混入する「安心」は切り離して考え、最後に統合するという。
参加には事前の申し込みが必要。申し込み方法等についての詳細は、技術士会のホームページを確認してほしい。

日本技術士会 プレスリリース
http://www.engineer.or.jp/c_topics/